2022年4月末はマンガ好きなら豊作だったと記憶しているかと思います。
あと2話で完結する「ゴールデンカムイ」・テレビアニメ第1期が完結し、第2期がスタートした「古見さんは、コミュ症です。」・「マンガ大賞2022」の大賞など数々の賞を取った「ダーウィン事変」など人気コミックの最新作が次々と発売したからです。
今回はそのうちの1作「ダーウィン事変」について解説していこうと思います。
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「ダーウィン事変」概要・あらすじ・魅力まとめ!(※ネタバレ注意)
「ダーウィン事変」の概要
作者 | うめざわしゅん |
ジャンル | サスペンスアクション、社会派アクション |
掲載誌 | 月刊アフタヌーン |
発行元 | 講談社 |
巻数 | 4巻(2022年4月21日時点) |
キーワード | SF、ヴィーガン、社会問題、テロ、アクション、高校生など |
「ダーウィン事変」のあらすじ
15年前、「動物の解放」を掲げるテロ組織「動物解放同盟(ALA)」がとある生物科学研究所を襲撃しました。
その際妊娠していたメスのチンパンジーを保護したのですが、そのチンパンジーは瀕死の状態だったので間もなく死にます。
けれど身ごもっていた子供の命は助かりました……が、その子供は半分ヒトで半分チンパンジーな「ヒューマンジー」だったのです。
実はAlAが保護したメスのチンパンジーは襲撃した生物科学研究所で行われていた研究、人間との間に子供をつくるという研究の実験動物でした。
「チャーリー」と名付けられた「ヒューマンジー」は完全菜食主義者(ヴィーガン)な人間の両親のもとで15年間育てられます。
その間チャーリーの存在は世間に明るみにされ、ちょっとした騒ぎも起きたりしましたが、田舎の街で平穏に暮らしていました。
ところがチャーリーが15歳になると何故か普通の高校に入学することに。
さっそく高校生としてスタートしたチャーリーはネコを助けようとして木から降りれなくなった少女・ルーシーを救ったことで、ルーシーと仲良くなります。
ルーシーは頭脳明晰ではあるものの、「陰キャ」といってもいいぐらいコミュニケーションが苦手な少女でした。
けれどもチャーリーは構いません。それはチャーリーが寛容だからではなく、恐ろしくドライだからです。
そんなチャーリーをルーシーも受け入れていましたが、チャーリーを仲間にしようと過激なテロをしてくるALAに死傷者が出てしまいます。
不安がるルーシーと里親たちを目にしたチャーリーはALAに反撃することにしましたが……。
「ダーウィン事変」の魅力
「ダーウィン事変」の魅力はズバリ、
・先が見えないストーリー
・チャーリーという「ヒト以外の存在」
・テーマとなっている「リアリティ」
でしょうか。
先が見えないストーリー
「ダーウィン事変」は当初、ヒトとチンパンジーの交雑種であるチャーリーが人間の学校で上手くやっていけるかどうか?がチャーリーとルーシーに突き付けられた難題に思われました。
ところがALAの登場にとって、それは瓦解。
チャーリーを自分たちの仲間にする手段としてチャーリーを孤立させ、学校にテロを仕掛けます。
このテロ行為で11人が死んでしまい、それどころかチャーリーの自宅さえ襲われました。
そこでチャーリーはずば抜けた知性と身体能力を駆使し、ALAの居所を掴み、逆に襲撃……したのですが、ALAのメンバーは暴走するだけ暴走して逃げてしまいます。
おまけに直後、駆けつけた保安官にチャーリーは銃口を向けられる始末です。
このようにチャーリーという「ヒト以外の存在」によって周囲の人々が勝手に行動していく様はとてもエゴに満ちており、ストーリーの展開を読めなくさせています。
しかしそれが読者をドキドキさせ、惹きつけているのもまた事実です。
チャーリーという「ヒト以外の存在」
チャーリーは見た目こそ愛らしいですが、とてもドライな性格です。「人間だけを特別にする必要があるの?」などハッとさせられる台詞をよく言い放つだけでなく、様々な場面で論理的だったり戦闘能力を発揮したり等、まさにアメコミのヒーローのような能力を見せつけます。
けれども、その根底にある「ヒトとチンパンジーのハイブリット」という設定が常識を溶かしています。
作者であるうめざわしゅんさんはそれが狙いで、「もしチャーリーみたいな存在が生まれ、人間と動物の境界が崩れると、人々はどういうふうに反応するだろう」と考えたうえで思考実験的に練り上げた内容が「ダーウィン事変」だそうです。
確かにチャーリーはただ生きているだけなのに騒いでいるのは周囲なんですよね。
チャーリーが何も言わなくても、勝手に人々が盛り上がったり嫌悪したりなど反応しています。そんな様子を見たチャーリーに「アリを眺めているのと同じで面白い」と言われても仕方がないですね。
テーマとなっている「リアリティ」
作者のうめざわしゅんさん曰く、「ヒューマンジーという大きな嘘が据えられている分、ほかの部分はリアルに描こう」とのこと。
そのため作品のテーマとなっている「差別とテロ」にリアリティを出すため、日常でも問題となっているアメリカを舞台にしたと言います。
このリアリティが作品を輝かせている要因となっており、読者は引き込まれているのです。
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「ダーウィン事変」はいつ完結するの?
残念ながら「ダーウィン事変」がいつ完結するのかは分かりません。それどころか完結が遠ざかっているのが現状だったりします。
というのも2022年4月25日発売の「月刊アフタヌーン」6月号にて、うめざわしゅんさんの病気療養が発表されました。
これにより「ダーウィン事変」は一時休載となり、再開する目処は未だありません。
月刊コミックの発売ペースは半年に1回が基本です。
「ダーウィン事変」は4~5月と11月に発売を繰り返していたものの、病気療養する以上、11月に新刊が発売する可能性はゼロでしょう。
そのため完結はまだまだ先となります。
「ダーウィン事変」4月末にどんなコミックが発売したの?
4月18日~22日まで発売したコミックは280タイトルあったそうですが、「ダーウィン事変」をはじめ
・ゴールダンカムイ
・古見さんは、コミュ症です。
・フラジャイル
・あおざくら 防衛大学校物語
・只野工業高校の日常
・未確認で進行形
・金田一37歳の事件簿
・このヒーラー、めんどくさい
・BE BLUES!~青になれ~
・山田くんとLv999の恋をする
といった人気&注目コミックの新作が店頭に並ぶことに。
特に注目を浴びたのは「ゴールデンカムイ」です。アイヌ民族の黄金をめぐり、網走の囚人やら第七師団やらクセのある勢力と戦ったり北海道の地でサバイバルしたりなど兎に角個性的だった「ゴールデンカムイ」がどんな最終回を迎えるのかSNSでは話題になりました。
その影響もあってか、当時はニュースとして報道されたほどです。
まとめ
「ダーウィン事変」はヒトとチンパンジーの交雑種であるチャーリーが少女ルーシーとともに人間社会と向き合う漫画です。
ストーリーやテーマ、そして何よりもチャーリーの存在が「ダーウィン事変」の異彩を放つ魅力となっています。
まだ完結はしておらず、また作者のうめざわしゅんさんが病気療養のために掲載は休載となっているのでまだ当分先でしょう。