ひょっこり鼻先から姿を見せてくれる愛らしいハムスター。
ペットショップでその魅力に思わず心惹かれる方も多いと思います。
家の中で飼い始めることができるハムスターは、今ではカラーリングも豊富で、気になるニオイも軽減できる資材がたくさん店頭に並んでいます。
初期費用こそ、ある程度は必要ですが、日々のお世話は案外サッとできるもの。
だけど、飼い始めたら、ハムスターが噛むことについて悩まれる方も多いようです。
今回は、なぜ、ハムスターが噛むのか、やめさせるにはどうすればいいか、についてお話します。
ハムスターを新しい環境に慣れさせよう
ショップではおとなしかったのに、家に連れて帰ったら、手を噛むようになった、そんな経験がある私。
なぜ、ハムスターは態度を変えてしまったのか。
それは今まで生活していたところと環境が違う場所に来てしまったからです。
ショップからの道すがら、移動によるストレスも感じていたハムスターは突然、新しい環境に来て、さらにストレスを感じています。
そこにむやみに人間が手を差し伸べてしまったら、さらなる恐怖を上乗せすることになります。
その恐怖から自分を守るために、ハムスターは攻撃として、噛むことを選択します。
新しく迎えたハムスターが、新しい環境になれるまでは、さわらないようにしましょう。
毎日のお世話で飼い主のにおいを覚えてもらおう
飼い始めのハムスターが、どうやれば飼い主の手を噛まないようになるのか。
それは毎日のお世話がポイントになります。
環境になれず、落ち着かないハムスターでも、もちろん、水は飲みますし、エサも食べます。
ただ、飼い主の目があるうちでは、なかなか姿を見せてくれないこともあります。
それでも、毎日、水替えと給餌をしていると、ハムスターもその時間帯を覚えてくれるようになります。
ゲージの扉が開いた、がさごそ音がする、といった飼い主の行動がハムスターに、「エサの時間だ!」と覚えさせることになるのです。
ハムスターを驚かせないようにしてあげるのが重要ですが、エサを入れる容器をゲージの中に入れるときに、ハムスターの鼻先が見えていたら、ふわりと触れるか触れないかの微妙な具合で飼い主の指を認識させてみてください。
それを毎日、行っていくと、やがてハムスターは、飼い主の指、手のにおいを覚えてくれるようになりますし、怖がらなくなります。
ただし、個体差・性格によっては慣れるまでに時間がかかる子や、なかなか慣れてくれない子もいるので、根気強く続けてみてください。
ゆっくりと時間をかけていけば、怯えていたハムスターも「大丈夫だ!」と思うようになり、ゲージに何か変化があれば、すぐにぴょこぴょこっと姿を見せてくれるようになります。
手に乗せて、感触も覚えてもらおう
ゲージの中に手を入れても、においを嗅いで、怯えた様子がなくなったら、今度はハムスターが手に興味を示し、体を預けてくれるまで待ってみましょう。
手に乗せられるようになるまでは、こちらも個体差などがあります。
たとえ、手に乗ってくれたとしても、すぐに恐怖を感じてしまう子もいますし、その際にはビュンッと逃げようとするので、そのまま脱走しないように気をつけます。
手に乗せられる時間を少しずつ増やしていくようにすれば、ハムスターは飼い主の手のにおいだけでなく、感触も覚えてくれるようになります。
脱走に気をつけながら、おやつを手に乗せて、ハムスターに「ここは安心できる場所だよ。何も怖いことはないよ」と教えてあげましょう。
これを続けていくことで、飼い主の手のにおいだけでなく、感触を知り、安心感を覚えていき、ハムスターから恐怖心を取り除いていきます。
小さな積み重ねが、やがて、ハムスターにとって心地よいものと認識されれば、手を噛まれることは少なくなるはずです。
ただし、ハムスターが興奮している時や、ハムスターを乱暴に扱ってしまうと、身の危険を感じたハムスターは防御のために噛むことがあります。
慣れてきたからといって、ハムスターを粗雑に扱うことは絶対にやめましょう。
愛情表現で噛むこともある?
ゲージの中に手を入れても、「うんうん、どうしたの?エサの時間なの?」と近寄ってくるハムスター。
健康チェックのために、体を観察しても、怖がらなくなったのに、触っていたら噛まれてしまった、そんな経験があります。
何か気になるにおいがあったのかもしれませんし、ハムスターが嫌がることをしてしまったのかもしれません。
飼育日数が増え、ハムスターが環境になれてきたとしても、絶対に噛まれなくなることはないようです。
ただ、ハムスターは時に愛情表現の一つとして、甘噛みをすることもあるのだそうです。
軽く痛い、と感じる程度の「噛みつき」ならば、甘噛みの可能性があります。
血が出てしまうほど深く強く噛まれた時には、ハムスターが恐怖を感じているサインとなります。触れ合いを中止し、ハムスターをゲージに戻して、傷口の手当てをしてください。
ハムスターに限りませんが、動物は菌を持っていることがあるため、小さな傷口からでも菌が入り、化膿してしまうことがあります。
また、恐怖を感じたハムスターは、ゲージに戻した後は、なるべく、そっとしておきましょう。
ゲージに大きめのタオルをかけて、飼い主側の生活音などから静かな環境を作ってあげることで、落ち着きを取り戻させます。
翌日の触れ合いはせずに、最小限のお世話だけにします。
様子をみながら、ハムスターとの触れ合いを再開させてみましょう。
ゲージを噛む
ゲージを噛む行為には、ストレス発散や不満を訴える意味が含まれていることが多いようです。
その噛み癖がついていると、食べ物がうまく噛めなくなる、歯が折れやすくなるなど、ハムスターにとって良いことはありません。
ゲージを水槽タイプや衣装ケースタイプのものに替える、かじり木などの遊び道具を入れてあげる、などの対処法を試してみましょう。
まとめ
飼い始めのハムスターは、ペットショップにいた頃と、違う環境におかれて、びくびく、どきどき、不安でいっぱいです。
大丈夫だよ、安心してね、と飼い主がやさしく教えてあげることで、少しずつ、ハムスターも環境に慣れていくはずです。
個体差があることを頭に入れて、接してみてください。
ゲージの扉を開けたら、すぐにハムスターがあなたの手に乗ってきてくれる日も近いはず。
寿命が短いハムスターと濃厚な触れ合いを楽しみましょう。
飼い始めのハムスターが噛むことに悩まれている方の参考になれば幸いです。