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ルックバックは意味がわからない!?良さがわからない人のために解説

一般ユーザーに留まらず、お笑い芸人やアーティスト、さらには同じ漫画家たちですらも心を震わせた「ルックバック」。

大勢の人たちが思い思いに感想をつづる一方で、「意味がわからない」という感想も確認されています。

なぜ絶賛されているにも関わらず「意味がわからない」のか。

今回はそんな「ルックバック」の困惑させるポイントから「ルックバック」という作品にメスを入れていこうと思います。

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「ルックバック」意味がわからないポイントとは?IFの世界を解説!

「ルックバック」において「意味がわからない」「よく分からなくなった」などとデク者を言わしめたポイント、それは

・物語中盤で起こる分岐点

です。

不審者の侵入によってその命を落とした京本。

彼女の死を「私のせいだ」と責める藤野は「描いても何も役にもたたないのに……」と呟きながら、京本と知り合うきっかけとなった4コマ漫画を破り捨てます。

その4コマ漫画の1コマ目の原稿が京本の部屋のドアの隙間に滑り込むのですが、次の瞬間、閉ざされた部屋の向こう側には小学6年生の京本がいました。

彼女は破り捨てられた原稿を不思議そうに眺めるものの、漫画は1コマ目にしかないので意味が分かりません。

そうこうしているうちに家の玄関が鳴り、あらわれたのは卒業証書を届けに来た藤野でした……が、本来であれば出会うはずの2人は対面することもなく、そのまま別の時間が始まっていくのです。

結局この別の時間・IFの世界は区切りの良いところで終わり、再び京本を失った藤野の世界に戻ります。

この「IF世界がよく分からない」という声が相次ぎました。

Twitterでは

といったように「ルックバック」の理解・解釈をどうしていいか分からないツイートやのちに起こった修正騒動に対してのコメントが見受けられました。

後者はともかく、前者のように「ルックバック」をどう受け止めたらいいのか分からない人たちにあえてアドバイスをするなら

・「ルックバック」は考察ありきの作品

であることを断言しておきます。

「ルックバック」を理解するには「背景(バックボーン)」を知らなくてはならない!

「ルックバック」を読んで2019年7月19日に起こった事件、「京都アニメーション放火殺人事件」を思い出さなかった人はいなかったと思います。

京都アニメーション放火殺人事件は当時私たちに衝撃をもたらし、関係者たちだけでなく、京都アニメーションを応援していたユーザーの心にも影を落としました。

現在に至っても初公判は未定のままで、それどころか類似した犯罪・事件が続出しています。

作者である藤本タツキさんなど作者側からのコメントはないものの

・IF世界は藤本タツキさんなりの事件への追悼

に思えてなりません。

現にその指摘はTwitterでも多く上がっており

など一部のツイートだけでも的確な考察をしております。

ちなみに「Don't Look Back in Anger」は「ルックバック」に隠されたメッセージであり、イギリスのロックバンド・OASISの曲です。

この曲は2017年にイギリスで起きた自爆テロの追悼式にて参列者たちが歌ったことで話題になりました。

(他にもカルト集団にハリウッド女優が殺害された事件をモデルにした映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のジャケット(ポスター)がラストシーンで紛れているあたり、憎らしい演出です)

そして「ルックバック」が公開した日にちは2021年7月19日。

すなわち京都アニメーション放火殺人事件の前後でもあるため、藤本タツキさん、ひいては作者側がかなり意識していたのは否定できません。

(もっともコレに対してなじるコメントも数多く、「(辛くなるから)但し書きをつけろ!」というツイートも投稿されていました)

これらのポイントを踏まえれば京本(京アニ)の生死が意味深げになっていたと思います。

つまるところ「ルックバック」は現代からファンタジー世界にトリップして無双する作品や部活や趣味を通して青春を送る作品とは異なるというわけです……が、「意味がわからない」と言った人たちは恐らく口をそろえてこう言うでしょう。

・「いや、それは分かったからさ。

結局あの描写はなに?並行世界なの?藤野の妄想なの?」

と。

これはあくまで筆者の意見ですが、

・どうか好きに考えてください。

この一言に尽きます。

夢を「可能性」と捉えるか、「フィクション」と捉えるか

「ルックバック」において京本が生きている時間軸・IF世界を並行世界と捉えるのか、フィクションと捉えるかは読んだ人次第です。

筆者としては当然、並行世界だと願っています。

京本が命を落とした理由はあまりにも理不尽すぎますし、モデルにしただろう京アニ事件を思えば「続いていたかもしれない日常」を頭の中だけだとしても思い描いて悪くないはずです。

けれども時間は戻せません。

「ルックバック」では最後に絶望した藤野の世界に戻ったように、都合のいい奇跡なんて起こりません。

だからこそ藤野は失った京本の思い出と願いを噛み締め、最後は振り返ることなく、自分のやれること(漫画を描くこと)を選んだのだと思います。

「ルックバック」はフィクションですが、同時に鏡でもあります。

その鏡に映し出された像に何を見出すかは本当に人それぞれです。感動したのか許せないのか、辛いのか励まされたのか。

どうかあなたの心の底からこみ上げた感情を大切にしてください。

それはあなたの心を育むためのものです。

たとえそれが決して乾かない心の血だとしても、「ルックバック」はあなたを限りなく優しく傷つけたと思えます。

「ルックバック」フィクションに馴染めない者たちへ

とはいえ「ルックバック」を読んで感動しなかったどころか、モヤモヤした人たちも一定数いるようです。

それどころか

といったようにTwitterでは「ルックバック」という漫画そのものではなく、「ルックバック」を構成している要因(加害者側の描き方や似たような事件)を取り上げるツイートも数多いです。

確かに「ルックバック」はまだ生々しい京都アニメーション放火殺人事件をモデルにしているため、反応的な批判が上がるのはおかしくありません。

ただ問題なのはこうした「ルックバック」の感想じゃない、そこから派生した感想や意見が作品や作者のプレッシャーになる時もあります。

現に「ルックバック」も修正が入り、それはそれで「配慮すべきというルールを押し付けるのもまた暴力的(ニュースサイト「まいじつ」ライター・野木)」という苦言も出ました。

味わった苦痛は本人しか分からない

「ルックバック」はクリエイターのための漫画です。

お笑い芸人ならコントや漫才の台本を、アーティストなら曲を、声優や俳優なら演技を……といったように創作活動をしている人なら、「ルックバック」の出来事は共感できると思います。

しかし現実には出来る出来ないにしろ、非クリエイターもいるのも事実です。

そうした人たちに創作活動の体験談を語ってもそれこそ絵空事でしかなく、「なんか今日は角がムズムズする。もしかしたら落っこちるかも」と言われるのと一緒でしょう。

別に馬鹿にしているわけでも見下しているわけでもありません。

分からないなら「分からない」、そう言って構わないのです。分からないことはある程度想像力でおぎなえるものの、それにも限界はあります。

味わった苦痛は本人にしか分かりません。

それを「分かるよ」と言ったところで慰めからは遠くかけ離れています。

要するに白黒ハッキリと答えなくていいというお話です。

フィクションに馴染めなかった者たちへ

大切なのはちゃんと「分からない」と主張する事、そして誰かの意見を求める事だと考えます。

「分からない」という気持ちを理解してほしくてSNSで呟いたものの、現状そうした灰色のコメントが批判の源となったりもしているのが実際のところです。

とはいえ灰色、こと「皆から共感されにくい」言葉は肩身が狭いもの。

例えば今日転生トリップ・異世界転移モノは共感されやすいので人気は高いですが、登場人物の心理描写を大事にした作品は分かりづらいので人気が低いと言われています。

……でもそれでいいじゃないですか、「灰色上等」というやつです。

言葉には力があります。

その力は人を追い詰め、時には命を奪い、時にはその気がなくても心を掬い上げます。

たとえ「分からない」という灰色の言葉でもあなたの言葉です。

まずはその言葉を吐き出してください(出来ればその際は実在の出来事を引用せずに感情、なおかつ正義感抜きでよろしくお願いします)。

そして自分にしっくり来る言葉を求めて、誰かの言葉を探してみてください。

ネットを漂えば案外、仲間はいるものです。

そうでなくても考察記事を漁れば「なるほど!」と目からウロコが落ちることがあるかもしれません。

つまり何が言いたいかというと

・フィクションに馴染めなくてもいいんです

「どうかと思う」「自分は面白くなかった」「あんまり好きじゃない」……そう言ってもいい、きっとこれはそれだけの話だと思います。

関連記事:ルックバックはどこで読める?おすすめのアプリや見どころなど

まとめ

「ルックバック」において「意味がわからない」という声が上がるポイントは物語中盤、藤野が4コマ漫画を破り捨てるシーンから始まるIF世界の描写です。

あのIF世界がなんなのか。

別の時間軸なのか、それともフィクションなのか。それを決めるのは読者それぞれでしょう。

作品自体がわからないという人もいますが、それはそれで構いません。

灰色もまた世界に欠かせない色です。どうかあなたが対等な隣人であることを望みます。

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