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言語聴覚士に向かない人って?小児と成人での仕事内容や働く場所

高齢化が進み医療職へのニーズが高まるなか、少しまでなじみの薄かった「言語聴覚士」という職業を耳にしたことがある方も増えているのではないでしょうか。もしかすると、ご家族が言語聴覚士のリハビリを受けていたという人もいるかもしれませんね。言語聴覚士というと高齢者に親身に寄り添うことのできる優しいセラピストをイメージする方が多いのではないでしょうか。そのため、言語聴覚士という仕事に興味はあっても自分には向いていなさそうだと思っている方もいるかもしれませんね。しかし言語聴覚士の仕事は多岐に渡り、それぞれの分野で求められる資質も少しずつ変わってきます。この記事を読む中で自分は言語聴覚士には向かないだろうと思っていた人が少しでもこの職業に興味を持ってくれれば幸いです。

それではまず言語聴覚士とはどんな職業なのかご説明します。

言語聴覚士ってどんな仕事?

言語聴覚士は理学療法士、作業療法士と同じリハビリ職で国家資格です。

リハビリの分野の中でも、言語・コミュニケーションや食べることを専門としています。

対象は小児から成人まで幅広く、先天的な障害、病気や怪我、加齢などの理由でや言葉や食べることに障害のある方の支援を行います。

言語聴覚士の仕事は大きく成人分野と小児分野に分けられます。

成人

成人の分野では、失語症や認知症、高次脳機能障害、構音障害、摂食嚥下障害などが対象の疾患となります。

リハビリでは患者さんに対して言葉や嚥下の評価や指導を行います。また、患者さんだけでなくご家族にも症状や家庭での関わり方をアドバイスすることもあります。

小児

小児の分野では、聴覚障害や発達障害、摂食嚥下障害、発達に遅れのあるお子さんなどが対象で、それぞれの疾患に合った評価やリハビリを行います。また、成人と同様に、保護者の方にも症状の説明や関わり方のアドバイスを行うことも重要な仕事の一つです。

言語聴覚士の働く場所は?

それでは、言語聴覚士はどんな場所で働くいているのでしょうか。

日本言語聴覚士協会が、会員を対象に就職先に関する調査を行っています。

調査によると、約七割が医療機関で働いています。次いで保険・福祉施設が約二割となっています。

医療機関

言語聴覚士の働く主な医療機関は、病院のリハビリテーション科、耳鼻咽喉科、小児科などです。入院している患者さんや通院してくる患者さんに対してリハビリを行います。

保健・福祉施設

言語聴覚士の働く保健・福祉施設には老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイケア、デイサービス、訪問リハビリテーションセンター、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設などがあります。

地域の中で患者さんやご家族を支援したり、患者さんの生活の場である入所施設で日々の生活を支援したりします。

教育機関

言語聴覚士が働く場所として病院や保健福祉施設のほかに教育機関もあります。

教育機関としては小中学校の教員や特別支援学校の教員、言語聴覚士養成学校の教員などがあります。注意点として、小中学校の教員や特別支援学校の教員になるためには教員免許が必要になります。

言語聴覚士に向いている人、向かない人って?

このように、言語聴覚士が対象とする疾患は幅広く、年齢も小児から成人まで様々です。そのため一口に言語聴覚士と言っても仕事内容や働き方は多様でそれぞれの仕事において求められる資質にも少しずつ違いが出てきます。

それでは言語聴覚士にはどのような資質が求められるのでしょうか。また言語聴覚士に向き不向きはあるのでしょうか。こちらも大きく成人と小児に分けてご説明します。

成人

言語聴覚士は上手くしゃべることができない患者さんの気持ちを汲み取りコミュニケーションをサポートする必要があります。またそれぞれの患者さんの能力や症状に応じて臨機応変に関わることが必要です。そのため人の気持ちに寄り添う仕事がしたい人、相手に柔軟に関わるのことの出来る人が向いていると考えられます。

また、それだけではなく専門家としての高い知識やスキルも求められます。そのため常に新しい知識を身に付ける勤勉さと、患者さんの病態をしっかり分析できる論理的な思考力も求められます。

小児

小児の分野においても成人と同様に患者さんに寄り添ったリハビリ、そして専門的な知識やスキルを用いたリハビリが求められます。

小児の分野が成人と大きく違うのは、成人が一度獲得していた機能を取り戻すためのリハビリを行うのに対して、小児はこれから新たに機能を獲得していくための支援を行うということです。また、子どもにかかわる仕事の代表に保育所や教員があげられますが、これらの職種と違い、言語聴覚士は1対1でお子さんと関わることが多いです。そのため1人のお子さんをじっくりと深く理解したいと思う人に言語聴覚士が向いていると考えられます。一方で、集団の中や生活の場においてお子さんを多面的に見る機会は少ないかもしれません。

またお子さんへのリハビリというと元気いっぱいで明るい性格が求められるように思われますが、大人に色々な性格の人がいるように子どもにも明るく元気な先生が好きな子もいれば落ち着いた優しい先生が好きな子も居ます。そのため自分の性格だけで向き不向きを考える必要はありません。子どもが好きな人、1人1人の子どもとじっくり向き合い、成長の喜びを本人や保護者と一緒に共有したい、そんな人に向いていると考えられます。

職業適性診断を行う

以上、言語聴覚士の各分野における働き方と仕事への向き不向きについて書いてきました。

しかし、それでも言語聴覚士に向いているのか分からない、客観的に自分の適性を知りたいという人もいるでしょう。そんな方は適職診断を受けることをおすすめします。就職支援サービスのサイトなど、ネット上には無料で適職性診断や性格診断のできるサイトがいくつもあります。それらのサービスを利用すれば自分の強みや弱み、職業への適性を客観的に知ることができ、自分に合った仕事を見つける一助になるでしょう。

まとめ

言語聴覚士は幅広い年代や疾患の患者さんに対して支援を行います。また、求められる資質も一般的にイメージされる優しさや思いやりの強さだけではありません。つまり言語聴覚士に求められる資質は様々で、自分の持つ資質を長所として仕事に活かしやすい職業なのです。言語聴覚士になりたいという気持ちがあれば目指す価値がある仕事なのではないでしょうか。

それでも言語聴覚士に向いていないのではないかと不安な方は適職診断や性格診断を行ない自分の得意不得意、向き不向きを診断してみるのもよいかもしれませんね。

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