ゴールデンカムイに登場するのっぺら坊という人物を、皆さんはご存知でしょうか?
物語のキーマンとされており、アイヌの金塊を隠したうえに、脱獄囚に金塊の在り処を示す刺青を彫り、金塊争奪戦を引き起こした張本人です。
ゴールデンカムイを語る上では欠かせない、重要なキャラクターなのです。
今回は、のっぺら坊とは何者なのか、その正体とのっぺら坊になった理由について徹底解説していきます!
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のっぺらぼうとは一体何者?詳しくご紹介
のっぺら坊は、網走監獄に収監されている死刑囚で、頭部全体の皮がそぎ落とされたようなおぞましい容姿をしています。
のっぺら坊という名前は、その見た目から由来したもので本名は不明です。
何故のっぺら坊は死刑囚になったのかというと、その昔アイヌが和人(アイヌ以外の日本人のこと)の迫害に対抗するために人知れず大量に貯め込んだ金塊があり、それの移送中にアイヌの人たちを殺して奪いどこかに隠した後、警察に捕まったためです。
この殺されたアイヌの人たちの中に、アシㇼパの父であるウイルクがいたとされています。
のっぺら坊は収監された際に金塊の一部を所持していたため、それに目がくらんだ看守達が残りの金塊の隠し場所を知ろうと、彼の腱を切ってしまい自由を奪われてしまいます。
そこでのっぺら坊は、外にいる他の仲間に金塊の隠し場所を伝えるために、同じ部屋にいた囚人達の皮膚に暗号を記した刺青を彫ります。
そして、刺青を彫った囚人達に「脱獄に成功したら金塊の半分をやる」と言って脱獄を促したのです。
その脱獄囚は、総勢24人居るとされています。
しかし、暗号は一人ひとりに分割されており、刺青が彫られた人の皮を剥いで繋ぎ合わせて解読する必要があります。
そのため、脱獄囚達はお互いにあるいは第三者と殺し合いをするようになったのです。
のっぺらぼうの正体について徹底解説
のっぺら坊の正体
のっぺら坊の正体は、アシㇼパの父であるウイルクです。
のっぺら坊になる前は、アシㇼパと同じ青い瞳と口髭、そして額から頬にある大きな十字傷が特徴的な顔でした。
ウイルクは母親が樺太アイヌ人で父親がポーランド人のハーフであり、南樺太で生まれ育てられました。
ちなみに、「ウイルク」はポーランド語で「狼」を意味しています。
ウイルクの過去について
1875年に樺太千島交換条約が結ばれ、樺太全土がロシアに譲渡されることになり、元々そこに住んでいたアイヌの人々は北海道への移住を余儀なくされます。
ウイルクは樺太に残り続けていましたが、やがて住んでいた集落は解体されてしまいます。
彼はアイヌを始めとする少数民族が、弾圧や併合などでどんどん衰退していく様を目の当たりにし、ロシアに対して怒りの感情を抱くようになります。
そこでウイルクは、樺太や北海道を含めた極東連合国家を築き上げることを画策します。
ロシアのパルチザンで活動していたキロランケという人物も、同じように志していました。
ウイルクはその後、キロランケを含む仲間たちと共にロシアから少数民族が解放されるための運動を行うようになります。
そして彼らは、ロシア皇帝であるアレクサンドル2世を爆殺し、テロリストとしてロシアから指名手配されることになります。
その後は北海道へ渡り、小樽に辿り着きます。
そこで、リラッテという女性と出会い結婚することになります。
ウイルクはリラッテから、「ホロケウオㇱコニ」というアイヌ語の名をつけてもらっており、「狼に追い付く」という意味です。
この名前を知っているのは、ウイルク本人とリラッテそして娘であるアシㇼパのみです。
ウイルクが結婚してアシㇼパが誕生した後、解放運動に対する考え方が変わって比較的守りやすい北海道のみを独立させる方針に切り替えていきます。
キロランケはそのことに納得がいかず、ウイルクとキロランケとの間に溝が生まれ決別してしまいます。
その後、リラッテが出産して間もなく亡くなってしまったので、男手一つでアシㇼパを育てていき狩猟などサバイバル技術中心にアイヌの生き方を教えていきました。
ウイルクがのっぺら坊になった理由とは
仲間割れが起きたため
キロランケと決別したウイルクは、仲間と共にキムシプという金塊の在り処を知る人物を探すことになります。
その一方で、クーデターの軍資金を欲していた鶴見中尉もまた、金塊を探していました。
鶴見中尉は、キムシプを最初に発見したとされるシロマクルという人物と接触します。
シロマクルは当初ウイルクとアイヌの仲間たちと一緒に行動していたのですが、その仲間がキムシプに対して脅しをかけて無理やり金塊の在り処を吐かせようとしたため、それに反発したシロマクルは彼らと決別したのです。
鶴見中尉はシロマクルの話を聞くうちに、金塊を探しているアイヌ人の中にウイルクがいることを知ります。
実はとある事件でウイルクに因縁があり、鶴見中尉は彼が過去ロシアで行っていたことをバラしてアイヌ人同士の仲に亀裂を入れ、それに乗じて金塊の在り処を探ろうと目論みます。
鶴見中尉はシロマクルに、「彼はかつてロシアと戦っていたテロリストだった」「北海道で金塊を探しているのは、ロシアで革命運動を行う軍資金を得るため」と語ります。
その話を聞いたシロマクルは、ウイルク達のところに向かい鶴見中尉から聞いた内容を伝えます。
話を聞いたアイヌの仲間たちは、これまでウイルクへの信頼のみで繋がっていましたが、このことがきっかけでその関係性が崩れてしまいます。
ウイルクを庇う者と非難する者に分かれて口論になり、ついに殺し合いにまで発展してしまうのでした。
自らの皮を剥いで死を偽装するため
ウイルクは自分の皮を剥ぎ取り、死んでしまったキムシプの顔に自身の皮を被せることで、自分の死を偽装したのです。
これにより、ウイルクは死亡したと世間に思い込ませ、殺人事件の容疑者から除外させることが出来ました。
鶴見中尉はウイルクが死亡していないことに気づいて追いかけますが、彼は支笏湖周辺にある監獄部屋へと逃げ込みそこで匿うよう要求します。
鶴見中尉が所属する第七師団と監獄側の仲は大変悪かったため、鶴見中尉は下手に手を出すことが出来ませんでした。
ウイルクは監獄部屋に匿われた後、極秘裏に網走監獄へ移送され、こうして彼はのっぺら坊となったのです。
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