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ルックバックの炎上騒ぎまとめ!批判の原因を簡単に解説

2021年7月19日に公開して30分後、Twitterトレンド2位に急浮上した「ルックバック」。

その卓越した表現に世間は喝采を浴びせましたが、「ルックバック」を語るうえで忘れられないのが修正前と後で起こった炎上騒ぎです。

一体なにが炎上のきっかけとなったのか、その原因と考察をしていきたいと思います。

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「ルックバック」修正前と後で起こった炎上騒ぎ!簡単に解説!

・『ルックバック』作品内に不適切な表現があるとの指摘を読者の方からいただきまし​た。

熟慮の結果、​作中の描写が偏見や差別の助長につながることは避けたいと考え、​一部修正しました。

少年ジャンプ+編集部

・作中には「被害妄想」という言葉くらいしか出てこないのに、勝手に統合失調症と結び付けているのは誰なのか。 ― 私たちは人を殺す存在ではありません。マンガ「ルックバック」に抗議します。

ズバリ「ルックバック」の炎上の原因は犯人の描写です。

「ルックバック」修正前の犯人は藤野や京本と同じくクリエイターで、なおかつ犯人の言動が精神障害じみていました。

これに対して総合失調症(自称?)のユーザーたちが「総合失調症を思わせる描写にしないで!」と抗議。

また「ルックバック」中盤で発生する事件が明らかに京都アニメーション放火殺人事件をモデルにしていたことから「注意喚起をしてほしかった」という批判も殺到します。

こうした講義を受けて2021年8月2日、「読者の指摘により不適切なシーンがあったため、表現を修正した」と発表しました……が、この対応が新たな炎上を引き起こしました。

今度は修正前の支持者が修正したシーンを不服としたのです。

・ルックバックの再修正は最初の修正よりはずっと良かったけど、結局「うんうん、差別を助長する問題ある表現はキチンと削除した上でより良くなってるね!」って、もうあの日最初に多くの人の心を打ったオリジナル版は「差別を助長する問題ある表現だった」ことが正史にされて、それがただただ悲しい

・やっぱタツキ先生の「ルックバック(修正前)」は正しかったんやなあ…

・ルックバック、修正により犯人の大学を襲った動機が滅茶苦茶になっててタツキ先生の良さが伝わりきってない…悔しい

これを受け、「ルックバック」は再々修正が行われました。

その成果は単行本でお披露目となり、修正前の支持者たちは「修正前に近くなっている!」という喜びのツイートを投稿しています。

とはいえ「ルックバック」がネットで無料公開されるには名作すぎたこと。

モデルおよびオマージュにした要素に対して読んだユーザーが過敏に反応したこと。

またこの一連の炎上騒ぎによって「ルックバック」を通し、創作の在り方などを持論する記事やユーザーが相次いでいます。

炎上こそ落ち着いたものの、「ルックバック」はネットにとってはまだまだ「熱い」作品となっているようです。

余談ですが、件の修正シーンは下記のサイトでチェックできるので興味がある方はご覧ください↓

(参照:https://matomedane.jp/page/82903

「ルックバック」炎上したのは正義感が高まったせい?

基本的にネットは何気ない一言を書き込んだとしても、受け取る側のユーザー次第で簡単に炎上してしまいます。

今回「ルックバック」の炎上の原因となったのは

・犯人の描写が精神障害者のひとに「これじゃ勘違いされる!」と思われた

・「ルックバック」オリジナル版に感銘した人たちが「これじゃ作品の質が劣化してしまった!」とクレームを入れた

ことです。

どちらに対しても賛否両論のコメントが出ており、なかには専門家が持論を展開していたりもします。

ここからは筆者の主観が入りますが、「ルックバック」が炎上したそもそもの原因は

・正義感

に思えてなりません。

先述した2つの原因・事態の流れは抗議した側の立場や意見は異なるものの、精神障害者もしくは作品を守ろうとする意志を感じられます。

正義という名の中毒

正義感とは非常に厄介なアクセサリー(ファッションとも言ってもいいかもしれません)です。

最初こそは「こんなの間違っているよ」と正したい気持ちで声を上げたとしても、自分と同じ気持ちを持つ仲間を多く持つようになると正義は徐々に歪んでいきます。

本来であれば仲間を持つことは良いことです。

信頼できる相手がいることで幸福感や親近感、愛情を得ることでき、ストレスを緩和できたり生活にハリを与えてくれたります。

このメカニズムは男女ともに分泌されるホルモン「オキシトシン(別名、愛情ホルモン)」の影響もあって効果が倍増します……が、この状態もしくは「オキシトシン」が過剰になってしまうと自分に不利益なことをもたらす人を排除する動きにチェンジしてしまうのです。

これは「排外感情」とも呼ばれており、排除する対象を集団の力で追いやろうとするのが特徴として挙げられます。

そこに正義感が加わってしまうと達成感が強いうえに集団からの承認力もあるため、「気持ちいい」という快感も味わいやすくなるのです。

まさに「中毒性が強い」といっても過言ではありません。

誰もが快感に酔いしれる

元々、人間の脳は攻撃をすると快感を感じられるようになっています。

これは「脳内麻薬」で名高い「ドーパミング」の作用もあり、たとえ「攻撃してはいけない」と思っても快感欲しさにアクセルが全開になりがちです。

つまり

・攻撃=楽しい=やめられない!

というプログラムが人間には備わっています。

ネット炎上はまさにこのプログラムが発揮された現象です。

どんなに糾弾しても匿名だから、誰も自分のことが分からない。分からないからこそ名指しで批判されることはないし、仕返しだってされない安心感が炎上を起こしやすくしている背景となっています。

そして炎上(攻撃)が始まったら最後、誰にも止められません。

なぜなら誰もが正義感という快楽に酔いしれてしまうからです。その際におけるブレーキなどはなく、「ちょっとコレは違うんじゃない?」と待ったをかける声が上がっても団結を乱したと見なされ、新しいターゲットにされてしまいます。

「ルックバック」がやってしまったルール違反とは?

「ルックバック」の炎上の始まりは犯人の描写こと精神障害の描写です。

これが現実で精神障害を抱えている患者が反応したわけですが、先述した「正義感」に当てはめるなら

・自分たちを守らないルール違反をした!(社会的弱者に不利益をもたらした)

と受け取られたのだと思います。

精神障害への理解・対応はまだまだ未熟なところがありますが、社会が向き合わなくてはならない義務でしょう。

そういった意味では確かに「ルックバック」はタブーを冒したわけではあるものの、今度はそちらを優先したために

・クリエイターの独創性が失われた!(言論の自由をながしろにした)

と修正前の擁護派が反応し、クレームが相次いだわけです。

「ルックバック」“鏡”な作品をどうするかはあなた次第

とはいえ、別に「ルックバック」が悪いのではありません。

ネットでは誰もが糾弾できる対象を探しており、炎上はどこかで今も起きています。

そこには大なり小なりまっとうな正義感もあるかもしれませんが、大多数は「気持ちいいいから」を理由に批判しているのが現実です。

大切なことは「ルックバック」という作品を理解し、読んだ時に何を感じたかだと思います。

「ルックバック」はただただ藤野と京本という2人の漫画愛にスポットライトを当てた作品です。

そこにこれといった説明はなく、2人もまた「嬉しい」「悲しい」といった感情を明確に吐き出していません。

けれども「ルックバック」を読むと、「何か」を見出さずにはいられないはずです。

それはいわば鏡像。あなたが「ルックバック」という鏡に映し出されたものです……が、鏡像に文句を言ったところで仕方がないとも思います。

何しろ鏡は鏡、あくまで写しているだけです。

文句を言うとしたら、あなたの中にある「何か」でしょう。

いずれにしても「鏡」とどう付き合うかはあなた次第です。

関連記事:ルックバックはどこで読める?おすすめのアプリや見どころなど

まとめ

「ルックバック」が炎上した原因は2つあります。

1つは犯人の描写が精神障害を勘違いさせそうだったこと、もう1つは修正が入って作品の印象が変わったことです。

2つの原因は主張も立場も異なるものの、正義感という共通点がありました。

これはネット社会では珍しいものではなく、むしろ炎上の火種です。

最初こそはまっとうな気持ちだったとしても、徐々に歪んで過剰となっていくので注意したいものです。

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