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言語聴覚士は就職できない?就職状況と将来性について

昨今の不安定な情勢のなか、手に職をつけて少しでも将来への不安を軽減したいと考えている人は多いのではないでしょうか。しかし、せっかく資格を取っても将来需要がなくなってしまうのではもったいないですよね。同様に、将来性はあってもすでに飽和状態で就職が難しい可能性もあります。ここでは言語聴覚士の就職状況や将来性について説明していきたいと思います。

言語聴覚とは?

言語聴覚士は言葉や食べることに関するリハビリを行う専門職で、病院や施設、療育センターなどで、多くは理学療法士や作業療法士などと連携しながら仕事を行っています。

言語聴覚士として働くためには、国家試験に合格し、言語聴覚士免許を取得する必要がありますが、国家試験の受験資格を得るためには大学や専門学校などの養成校を卒業しなければなりません。

言語聴覚士は非常に専門的な職種であり卒業までに身につけておかなければならない知識や技術が多くあります。そのため授業についていくための日々の勉強や数週間に渡る病院での臨床実習など在学中から資格取得に向け学生立ちは奮闘することになります。

言語聴覚士は高齢化により非常に需要の高まっている職種で、養成校も増え、毎年たくさんの言語言語聴覚士が誕生しています。

言語聴覚士の働く場所は?

言語聴覚士の就職先は医療機関が多く、主に病院のリハビリテーション科や耳鼻咽喉科、小児科などで働いています。また数は減りますが介護老人保健施設やデイサービスなどの保健福祉施設で働く言語聴覚士もいます。

言語聴覚士の対象とする疾患には摂食・嚥下障害、成人の言語・認知障害、発声発語障害、小児言語・認知障害、聴覚障害などがあります。対象となる疾患は大きく成人と小児に分けられ、摂食・嚥下障害、成人の言語認知障害、発声発語障害は主に成人の患者さん、小児言語・認知障害、聴覚障害は主に小児の患者さんが対象となっています。

日本言語聴覚士協会の調査によると、摂食・嚥下障害、成人言語・認知障害、発声発語障害を対象として働いている言語聴覚士はそれぞれ約1万4000人ずつ、小児言語・認知障害は約4500人、聴覚障害は約2000人の言語聴覚士が対象としています。一般に一人の言語聴覚士が複数の疾患を対象としていることが多いため、結果の数値は重複していると考えられます。それでも成人の分野で働いている言語聴覚士の人数と小児の分野で働いている言語聴覚士の人数とには大きな差があることが分かります。

言語聴覚士の就職状況と将来性

言語聴覚士は1997年に国家資格となった比較的新しい職種です。同じリハビリ職の理学療法士と作業療法士が1966年と30年以上も早く国家資格として認められていた事からも新しくできた資格であることが分かります。そんな言語聴覚士ですが、1999年に第一回目の国家試験が実施され、約4000人が言語聴覚士となりました。その後も毎年試験が行われ、年度毎に約15,00人が新しく言語聴覚士となっていきます。言語聴覚士の総数は10年前は約17,000人でしたが2021年現在には36,000人を超え、この10年間で倍以上に増えています。

そんな言語聴覚士ですが需要はどの程度あるのでしょうか。

現在日本ではますます高齢化が進み、医療や介護へのニーズが高まっています。それにともない、言語聴覚士を含むリハビリ職の需要も高まりつつあると考えられます。2021年には介護報酬改定が行われ、介護老人保健施設では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を配置する事が奨励されるなど、働く場所の拡大も進んでいます。

前述の通り、言語聴覚士のニーズは高まっているものの言語聴覚士自体の人数も増加しているため、本当に就職できるのか不安に感じる人もいるでしょう。

日本言語聴覚士協会の調査によると、言語聴覚士のいる医療機関や福祉施設で充分な言語聴覚士が確保できる出来ていると答えた施設はおよそ1/3となっています。そして残りの2/3は不足、またはやや不足していると答えています。この事から、言語聴覚士としての需要はまだまだあると考えられます。

また、それぞれの言語聴覚士養成校が行なった調査を見ると、卒業生の就職率が95%を越える学校が多くみられます。更に言語聴覚士養成校は一学年の学生が30~40人と比較的少ない中、募集は多いところでは500件を越えるなど就職はかなりしやすい職種であると考えられます。

しかし、注意しなければならない点もあります。募集が十分にあるとは言え、言語聴覚士の行う仕事の種類は小児から成人まで多岐に渡り、人によって希望する分野も様々でしょう。言語聴覚士はどの分野でも充分な需要があり、希望する分野に就職することは出来るのでしょうか。成人は小児と比べ就職先が多く、需要が高いと考えられます。中でも、今後高齢化が進むにつれ摂食嚥下障害のニーズがより高まってくると予想されています。小児分野においても発達障がい児者の増加などを背景に療育へのニーズは高まっているようです。しかし、成人と比べ病院や施設数が非常に少なく、就職先が希望の地域に見つからない場合は全国的に就職先を探さなければならない可能性もあります。

さらに小児分野でも聴覚障害児通園施設、発達障害児の療育施設、または重症心身障害児施設など就職先は様々だと思いますが、常に希望する分野の求人があるとは限りません。

これらのことより、言語聴覚士全体としてのニーズは高まっているため就職することは十分に可能ですが、希望する分野によっては必ずしも希望通りに就職ができるとは限らないというのが実際のようです。

それでも言語聴覚士の資格をもっていればいずれかの方法で就職をすることは可能だと思いますので安定性を求めるという人にはおすすめできる仕事だと考えられます。

まとめ

以上のように言語聴覚士は国家資格で資格を取得するまでに多くの時間や労力がかかります。しかし将来的にも非常に需要のある仕事ですので、一度資格を取ってしまえば就職しやすく、安定して仕事を続けることができます。

分野によっては募集の少ないものもありますので注意が必要ですが、どの分野でも直接的に人の役に立つことができるやりがいのある仕事であることは間違いありません。やりがいを感じられ、将来的にも安定して働ける言語聴覚士の仕事は現代において非常にオススメでしょう。

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